静岡県熱海市で起きた大規模な土石流で、現場では4日も警察や消防、自衛隊が捜索を続けている。
熱海市伊豆山の湯原珍江(よしえ)さん(75)が夫栄司さん(75)とともに、自宅から救出された。
珍江さんは前日の午前10時半ごろ、自宅3階で重機が通過しているような轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨が降っているから、どこかへ出動しているのかしら?」。窓から外をのぞくと、自宅前に土石流が流れ込んできた。
約30分後、さらに大きな土砂の波が自宅を襲った。外にいた栄司さんに「土石流が来てるわよ!」と叫んだ。栄司さんは外階段を駆け上がり、間一髪で土砂をかわした。
「第2波」で地下1階、地上3階建ての1階部分は2メートルほどの土砂で完全に埋もれた。窓から外に出るのも危険が伴う。救助が来るまで待つことにした。ガスと水道は止まっていたが、3階は電気がついた。備蓄用のペットボトルの水やカップ麺などで26時間超をしのいだ。
「無事でいられてほっとした」と話した珍江さん。「伊豆山に住んで75年。こんな土石流が起きたのは初めて。信じられない」
栄司さんは「いつまた土砂が来てもおかしくないという恐怖がずっとあった。やっと安全な場所に戻ってこられた。本当にホッとしました」と語った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル